DIARY
2006年12月31日
 昨日で今年の診療が終わりました。院長としては大過なく1年を終える事ができ、ホッとしています。「来た患者は全部治す」決意で臨んだ1年でしたが、やはり皮膚科の難治疾患などは難しかったなぁ、というのが偽らざる感想です。来年はさらなる工夫をして、どこでもさじを投げられたような疾患をもぜひ治せるようになりたいと思っています。
 年始は1月9(火)から診療開始です。カレンダーの都合もあって、今年は年始の方にお休みがずれましたが、よろしくお願いいたします。
2006年12月19日
 昨日は感染性胃腸炎の患者さんが急に増えました。前回ノロウイルスの消毒方を書き忘れていましたので追加しておきます。ノロウイルスに有効なのは加熱と次亜塩素酸ナトリウムです。次亜塩素酸ナトリウムは家庭で使われるキッチンハイターなどの漂白剤の主成分です。ノロウイルス感染が疑われる人が吐いたり、下したりしてしまったら、マスクとビニール手袋をして次亜塩素酸ナトリウムの漂白剤を使って、掃除消毒をします。アルコールや病原性大腸菌O-157には有効だった塩化ベンザルコニウムはノロウイルスには無効です。具体的なところはわかりやすい下記サイトで。
ノロウイルスを消毒する(島根県感染症情報センター)
2006年12月17日
 その後もインフルエンザの発生はありませんが、感染性胃腸炎が多いです。特に今年はノロウイルスの集団感染が多く報告されています。ノロウイルスというと牡蛎など貝の生食によるといわれてきましたが、今年の集団感染は貝ではなく感染者の糞や吐物からの2次感染が多いようです。山梨での老人施設での集団感染は、清掃をしている人が下痢を我慢できなかったのが発端だったそうです。症状は嘔吐、下痢、全身倦怠感、発熱など普通の腸感冒と同じです。のど痛、咳など上気道感染の症状はありません。潜伏期は24〜48時間、感染性はかなり強いようです。診断は便中のウイルス検出により容易ですが、保険適用がありませんので、普通は診断確定に至りません。治療は下痢による脱水があれば点滴、細菌感染の合併が疑われれば抗生物質、後は対症的に吐き気止めや整腸剤の投与です。普通は2〜3日で回復します。予防は貝類の生食を避けるのと、調理の際には十分な加熱をする事、下痢など疑いのある人は調理をしないことです。毎日の生活では手洗いの励行に尽きます。
ノロウイルスに関するQ&A(厚労省)
 フィギュアGPファイナル・フリーに於ける日本勢の予想外の不振の原因は、ノロウイルス感染だったのでしょうかね?
2006年12月05日
 昨年は11月中旬にこの地区ではインフルエンザが流行したのですが、今年は今のところまったく発生していません。全国的にもまだ流行にはいたってないようです。インフルエンザワクチン接種はそろそろ終わりです。特に65才以上の公費負担が受けられるのは、12月15日までの接種ですので、まだの方はお急ぎください。
2006年12月4日
 医院のお隣さんは毎年この季節になると、華やかな電飾で目を楽しませてくれます。夕方の診察に来る方は見られますよ。
クリスマス
2006年11月10日
 インフルエンザワクチン接種は今が旬です。当院ではあらかじめ予約してもらい接種しています。ほとんどの方は予約通りに来ていただいていますが、なかに予約をとってあっても連絡もなく来ない方、いきなりやって来て、打ってほしいといわれる方などがいます。他の方との公平性のためにも、一度キャンセルされた場合は再度予約をとり直してもらっています。いきなり来院して、打ってくれといわれても希望には添えませんので御承知おきください。院長は怒っているのかって?そう、平気で約束を破る人にはそれなりに厳しい態度で望みますよ!
2006年11月04日
 昨日は実に三十○年ぶりの中学校の同窓会がありました。すぐにわかる顔もあれば、名乗って初めてあ〜とわかる顔もありました。中学時代の友は他の時代とは違う何ともいえない懐かしさがあり、本当に楽しい一晩でした。名簿を見ていると、あの人来てないな〜と、不在の人も気になります。ある友人から、ここに来ている人はハッピーな人なんだといわれました。来たくても遠方で来られなかった人、仕事の都合がつかなかった人、あるいは顔を合わせたくなかった人、それぞれ事情はあるでしょう。しかし、多感な中学時代を共に過ごした同窓生皆に幸せあれ!
2006年10月23日
 「地図状舌」という病気があります。舌に地図上の模様が出来る病気です。通常症状もなく治療の対象にならないのですが、先日舌に痛みがあり模様ができる状態がもう1年以上も続いているという高校生がきました。見るとまさに地図状舌です。そこである消化器の漢方薬を1週間分処方しました。1週間後に来ていうには、薬を飲み始めて2〜3日したら痛みがなくなって模様も消えたとのことでした。診察しますと地図上舌が確かに消失していました。地図状舌が消えた!しかも3日とは!これには主治医の私も驚きました。写真も撮ってありますので、患者さんの同意が得られ、再発がなければ症例集に掲載しますね。
2006年10月17日
 昨日からインフルエンザワクチンの接種を始めました。昨年はこの地域では全国に先駆けて何と11月中旬からインフルエンザが流行し、スタッフにワクチンを打つ間も無く、かかってしまい、痛い目に会いましたので、今年は早めに行うことにしました。早速昨日は私が打ちました。ワクチンは接種後2週間目頃から効果があらわれ、半年近くは持続するとされています。一番流行る2月に合わせて、遅い時期の接種を希望される方がいますが、インフルエンザがいつ流行るかは予測しがたく、早めの接種を勧めています。
2006年10月10日
 院長は田舎育ちのせいか、この季節になると茸とりに心が疼きます。山へ入ってはみたいものの、クマ出没のニュースが多い今年は、家族に止められています。道端や食料品店では山採りの茸が販売されていて、これもすごく気になります。昨年は富士五湖からの帰り、御坂路の道端で売っているキノコを買ってはみたものの、見慣れぬキノコだったため結局食べずに捨ててしまいました。
 連休はあまりの良い天気に誘われて、近くの公園にピクニックに行ってきました。子供達が遊具で遊んでいる間、近くの雑木林をぷらぷら歩いていると、名前も知らぬキノコが生えていました。今年はこんな写真を撮るだけで我慢です。
キノコ
毒キノコであることは明らかだが‥
キノコ
変った形。ホウキタケの一種?
2006年10月3日
 昨日なにげに自HPにアクセスしたら、ちょうど2万ヒットでした!オープンからちょうど2年半程です。
20000hit
2006年10月2日
 予約システムの担当者の頭の悪さと態度の悪さに激怒して、筆を断っていた訳ではないのですが、院長日記をしばらく書かなかったらもう10月、肌寒い日も多くなりました。秋の花粉症はもう数週間前から出ています。花粉症としては春のスギ花粉症が圧倒的に多いのですが、秋の方が症状がきつい方もいらっしゃいます。そうした方の場合、血液検査でアレルゲンに対する反応を調べてみますと、秋の雑草のブタクサ、ヨモギなどの花粉に対する反応が高い場合が多いです。当院では漢方薬と西洋薬を組み合わせて治療しています。大抵の場合内服薬のみで軽快します。溶連菌感染症もちらほら出ていますね。
 インフルエンザワクチン接種は10月16日から始めます。今予約受け付け中ですので、お申し出下さい。
2006年9月8日
 当院で使っている予約システムはHOPというベンダーが開発管理しています。スケジュール変更画面で2007年以降のメニュウが出てこないので、その旨をベンダーに連絡したのですが、ブラウザのキャッシュに前のプログラムが残っているとか、Macでは何か不具合があるかのような事をいって、あれこれやってはいるようですが、いっこうに埒があきません。今日も色々やりとりしていて、結局わかったのは、このベンダーの担当者(社長?)はカレンダーとスケジュール変更を取り違えていて、見当違いのカレンダーの方を何やらいじっていたようです。私は初めからはっきりと「スケジュール変更」schedule.jspとファイル名まで指摘し、不具合のある画面のスクリーンショットまで送っているのに、本当にこれにはあきれました。クライアントのいうことをよく聞き、確かな判断と技術で誠意をもって対応する、これは医療を初めどの業界でも大切な事です。当院の予約システムが変るのは遠くないかもしれません。
コミ予約スケジュール変更画面
2006年8月28日

もう、夏も終わり...
2006年8月25日
 7月から禁煙治療を始めています。経過は患者さんによって様々です。こちらの指示通りにパッチを貼らなかったり、折角貼ったパッチを剥がしてまで1本吸ってしまったり、予想外の行動もしばしばです。逆にパッチを予定通りに貼らずとも禁煙できてしまう立派な方もいます。なかなか禁煙治療の経過は様々です。来院のたびに吐く息の一酸化炭素濃度を測っていますが、禁煙前は20ppm以上だった方が、禁煙できていれば確実に一桁になりますね。体の中がきれいになっている事が実感できる瞬間です。禁煙治療はまだまだ試行錯誤を繰り返しながらやって行く事になりそうです。
2006年8月6日
 今日も暑い一日でしたが、その暑さのなか、懸案の医院裏中庭の自動灌水装置を設置しました。細い水道パイプを組み立て、ぽとぽとと点滴状に決めた時間に灌水してくれる装置です。写真のようにドーム状に散水する装置も何個か付けました。なかなか涼しげです。これでコニファー達に夏を乗りきってもらいます。
自動灌水装置
自動灌水装置
2006年7月31日
 梅雨も明けた日曜日、信州旅行の帰りに知る人ぞ知るオオクワガタの聖地、韮崎の山里に寄ってきました。樹液の泌み出た太いクヌギの林に分け入ると、何やら甲虫の臭いが漂ってきます。蝶のいるところには甲虫もいるものですが、蝶が普段見慣れているのと違う気がします。胴は太いが動きは蛾ではなさそうですし、何より翅の模様がきれいです。もしかして、これは国蝶オオムラサキではなかろうかと、写真を撮っておきました。家に帰ってから確認したら、間違いありませんでした。あんなに当たり前にオオムラサキがいるとは驚きでした。ちなみに戦果はカブトムシ オス1匹、メス2匹、コクワガタ オス1匹でした。オオクワガタですか?旅行帰りにちょっと寄って採れる代物ではないようです。
 現実に戻りますが、久しぶりに症例集に湿疹の症例を追加しましたのでご覧下さい。
オオムラサキ
オオムラサキ。青いのがオスで、褐色なのがメスらしい。
ハイジ
県立フラワーセンター・ハイジの村の夜
(わざと手ぶれさせて撮影:娘談)
2006年7月11日
 まだ梅雨も明けていませんが、晴れた日は大変暑いですね。もうお年寄りの方には脱水気味の方も出始めました。暑い日は外に出なくても水分を十分摂ることが大切です、特にお年をめした方は。
 当院では7月から保険を使った禁煙治療が可能になりました。治療スケジュールは、初回、2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヵ月後の合計5回の診察です。ニコチネルTTSというニコチンの経皮吸収薬を、通常最初の4週間は30mg、次の2週間は20mg、その次の2週間は10mgと徐々に減らしながら使っていきます。喫煙習慣はニコチン依存症ですから、こうしてニコチンを補いながら禁煙すると大変楽に禁煙できます。それと、来院時にはそのつど呼気中の一酸化炭素濃度を測定してもらいます。測定は下の写真のようなコンパクトな装置を使います。上の筒の部分に使い捨てのマウスピースをつけ、口にくわえて20秒間息を吐き出すだけです。通常呼気中の一酸化炭素濃度は7ppm以下ですが、喫煙者では12ppm以上になっています。それだけ血液中に一酸化炭素がたまっている訳です。禁煙するとこの値が徐々に下がっていくのが確認できます(ちゃんと禁煙していればですが)。気になる禁煙治療の費用ですが、ニコチンパッチをフルに使った場合、診察代も全て含め3割負担で¥12,040になります。禁煙に興味のある方はどうぞ御相談ください。
CO濃度測定装置
2006年6月17日
 昨日から中庭の夏椿が咲き始めました。今日は4個咲いていました。上の方は枝枯れも少しあって心配ですが、今年も蕾の数は多いです。夏椿とビヨウヤナギが咲くと梅雨ですね。
ナツツバキ
2006年5月31日
 昨年も書いたような気がするのですが、今日は何の日かというと「世界禁煙デイ」なのです。4月から禁煙外来が保険の対象となり、6月1日からは禁煙補助薬の貼付薬ニコチネルTTSが保険収載されます。当院でも禁煙には力を入れていきます。禁煙外来に保険を使うには、敷地内禁煙であること、呼気中一酸化炭素濃度測定装置を備えていること、などいくつかの条件があります。これらの条件をクリアして禁煙治療施設として認められ次第、またアナウンスいたします。それまでは今まで通りニコチネルTTSは自費扱いになります。この貼付薬を使うと本当にストレスなく禁煙できます。これから禁煙したい方、今まで何度も禁煙はしたが挫折した方など、禁煙に興味のある方はどうぞ御相談ください。
禁煙
 ちなみに私は非喫煙者です。乗り物は当然禁煙席、前にタバコ自販機を設置しているレストランにも入りません。自由に喫煙させているレストランは、いかに味にこだわってますといおうと信用しませんよ。
2006年5月26日
 連休を挟んでずいぶん更新間隔が伸びてしまいました。花粉症はほとんどの方が服薬を止めても大丈夫な時期になりました。スギ・ヒノキ以外のアレルゲンに反応している方は別ですが。今年は不順な天候のせいなのか黄砂のせいなのかわかりませんが、この時期慢性の咳の患者さんが多いです。慢性咳嗽とは本当は8週間以上続く咳をいうのですが、それでは現実的ではありませんので、ここでは3週間以上続く遷延性咳嗽のことを慢性の咳とします。
 慢性の咳には風邪に引き続いて単に気管支炎が長引いている場合やマイコプラズマ肺炎、レジオネラ肺炎など特殊な抗生物質を使わないと治らない肺炎もあるのですが、あまり一般には知られていず、しかし実際には結構多い病態がいくつかあります。まず「アトピー咳嗽」です。これはアトピー体質の方に生ずるアレルギー性の咳嗽です。リン散コデインなどいくら強い鎮咳薬を使っても咳はおさまらず、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を服用して初めて咳がなくなります。次に、似た病態に「咳喘息」があります。喘息でありながら気管支が狭まってヒューヒューいうのでなく、咳が出る病態です。咳喘息には抗ヒスタミン薬ではなく気管支拡張薬が効きます。またステロイド吸入薬は大変よく効きます。この二つ以外にも「副鼻腔気管支症候群」といって副鼻腔炎による後鼻漏が誘発している咳、最近多い「胃食道逆流」による咳などもあります。
 慢性の咳はこのように原因が様々です。原因によって合う治療薬が異なってきますので、いくら咳止め薬を飲んでも治らない長引く咳がある場合は御相談ください。
2006年4月30日
 最近嬉しいことが二つありました。ひとつはかれこれ2年近く治療しているアトピー性皮膚炎の子が、この2週間で見違えるように状態が良くなったことです。今までも掻かない所は良かったのですが、痒みのためつい掻いてしまうために部分的にひどく傷だらけになっていたのでした。これではいかんと、思い切って漢方処方を変えたところ、この2週間で見違えるようにきれいになったのです。治療者としてはこの上なく嬉しいことです。もっと早くにこの処方を使えば、苦労せずに治ったのではというツッコミも聞こえてきますが、時期によって証は変りますし、こればかりはわからない事柄です。それにしても長い間にわたって根気よく漢方薬を服んでくれる6才の患者さんと、治療を続けてくれるお母さんには本当に頭が下がります。諦めずに治療を続ければ、難しい病気でも治るものです。
 もうひとつはほんとに小さなことです。最近診察室に博物画を3枚掛けています。茸や粘菌を描いたものですので、あまり一般受けするとは思っていなかったのですが、ある患者さんに「いいですね、癒されます。」といわれたのです。この3枚は私自身が気に入って掛けているだけで、患者さんの好評はまったく期待していなかったので、嬉しい誤算でした。
2006年4月26日
 秘密の花園に植えたチューリップが咲きました。雑草もちらほらと。
裏中庭
2006年4月23日
 昨日はお待ちかね「坂の上健康講座」春恒例の漢方薬作りを行いました。昨年は紫雲膏を作りましたが、今年は桂枝茯苓丸です。今年もU和漢薬から3名の参加者があり、また常連の方に加え初めての参加者もあって、大変楽しくにぎやかに漢方薬作りを行うことができました。
 桂枝茯苓丸は冷え性、生理痛、不妊症など女性の様々な病気だけでなく、男性にも肩凝りや静脈瘤など血行不順に関連した病気に広く使われる漢方薬です。煎じた後に粉にしたエキス剤が多く使われていますが、もともとは丸剤です。漢方薬には湯の他に散、丸、煎などの形態があるのです。丸薬にしているのは恐らく携帯の便を考えてのことだと思います。以下にまず材量と作り方を書いておきます。
 
 材料
 ・桂枝、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬の微粉末:それぞれ20gずつ
 ・蜂蜜:100g
 ・天秤、ボール、まな板、包丁、さじなど

 手順
 1) 桂枝、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬の微粉末をそれぞれ20gずつ秤り取り、ボー ルに入れる。

 2) 熱した蜂蜜(あらかじめ鍋で熱し水分をとばしたもの)を生薬の入っているボー ルの中に入れ、こねる。

 3) 蜂蜜は熱いので注意して生薬と一様に混ざるまでこね合わせる。

 4) こね合わせたら、何分割かにし、熱いうちに直径0.5〜1cmくらいの長い棒状に する。(冷えると固まるのですばやくしなければならない。)。

 5) 棒状のものを適当な大きさに包丁で切る。

 6) 切ったら、冷えて固まる前に1粒1粒を丸める。

 桂枝茯苓丸作りの過程は単純です。唯一難しいのは最後の丸にする工程です。ぐずぐずしていると、蜂蜜が冷えて硬くなってきますので、手早く丸にする必要があります。まな板の上でまとめて作れば速いのですが、きれいに丸くするのは難しく、結局手で丸めたりすることになります。
 この日は5班に分かれ、各班でそれぞれ100数十グラムの桂枝茯苓丸を作りました。こねる作業はさすが主婦の方は堂に入ったものでした。丸にするのは子供の泥だんご作りそのままです。でき上がった桂枝茯苓丸をさっそく味わっていただいたところ、結構イケルとの声もありました。参加者の皆様ご苦労様でした。
桂苓丸作り
生薬を計る
桂苓丸作り
真剣な手つきで
桂苓丸作り
5種類の生薬のグラデーション
桂苓丸作り
慣れた手つきでこね作業
桂苓丸作り
伸ばして切る
桂苓丸作り
すり作業
桂苓丸作り
入念な作業
桂苓丸作り
出来上がった桂苓丸
桂苓丸作り
恒例の記念写真
2006年4月13日
 出張の新幹線の車中でのこと、車内に具合の悪い客がでたので、医者か看護婦がいたら来てほしいとの車内放送があった。具合の悪い客は11号車で私が乗っているのは1号車である。遠い。喫煙車両を息止めして通過できるか自信がない。どうしようかと逡巡しているうちに、お医者様が来られて手当てを受けていますと再度の車内放送。私以外にも乗っていたのだ。
 実際問題として、診察道具も薬もない状態で具合の悪い人を診たとて何もできない。できるのは、緊急停止してでもすぐに処置が必要か、そのまま様子を見ていて良いかの判断くらいだろう。それとも、病人からすれば、見ず知らずの人間でも、医者といわれる人間がそばにいるだけで、心安らぐものだろうか。
2006年4月6日
 昨日は、博物画を見たくなり、東京のとあるお店に行ってきました。たくさんの博物画を見せてもらい、小品を数点購入しました。そのうちマット装がすでにできあがっていた1枚だけ持ち帰りました。
ドノヴァン英国鳥類誌
 ドノヴァンの『英国鳥類誌』の1枚、18世紀終わりの手彩色銅版画です。店の人に教えてもらったのですが、この版画にはおもしろい点があります。近いうちに医院のどこかの壁に飾りますので、見つけてください。
 気がつかれていないと思いますが、医院には多数博物画が飾ってあります。興味のある方はじっくりご覧になってください。この博物画というやつは、自分の気に入ったものは気味悪いといわれたり、万人向けのものはもの足りなかったりして、けっこうやっかいなものです。今回は店主の勧めもあって断固自分の趣味でいきました。
2006年3月31日
1ヵ月にひとつは追加していくつもりでいた「症例集」ですが、初めの症例からすでに1月半もたってしまいました。今日ようやく第2例目の尋常性乾癬の症例を載せましたのでご覧になってください。乾癬は治療の難しい病気ですので、治るのは本当スゴイことなのですよ。
2006年3月29日
今日水曜日の午後は休診でしたので、午前の診察が終わってから床屋に出かけました。車でちょっと行ったところにある初めて行く床屋です。待つのが嫌なものだから、客がいっぱい待っているところはだめ。その点今日のところは○なのですが、がらんとした店内、なかなか出てこない主人に少し嫌な予感が‥しかし、いったん入った後そのまま店を出てくるのも気が引け、しばし待つとジャージーを着た中年の主人が現れました。一応2cm位カットしてくれるよう注文を出し、理髪が始まったのですが、どうも手の動きがスムースでありません。鏡を見ると、鋏を持つ手が震えているじゃないですか。震えは頭にも伝わってきます(ぎょえー)。これではいつか見たドラマの中のワンシーンになってしまう〜。こりゃいかん、とにかく無事終わってくれることを祈りつつ、じっとTVの高校野球中継を見ていました。20分もたったでしょうか、理髪は終わったようで、鏡を見せられたので、一もニもなくOKを出し、ヒゲ剃りは断って、そそくさと店を出てきました。
パーキンソン病なのか本態性振顫なのか、はたまたアル中なのかはわかりませんが、床屋の手が震えていては困ります。おかげで何だか変り映えのしない頭ですが、まずは生還できたのでよしとしましょう(やれやれ)。
考えてみれば、床屋とは見ず知らずの人に命を預ける場所でもあり、昔からお笑いドラマの題材に選ばれ続けるのも頷けます。
2006年3月27日
「このままじゃぁ大変な事になるよ」「死んでもいいだけ?(甲州弁)」たけしのTV番組ではないけれど、頼りにしている先生からこんな事をいわれたら、気の弱い患者さんは何でもいう事をきかざるをえないでしょう。恐ろしい結末をちらつかせて、患者さんを動かす、こうした手法を「恫喝医療」といいます。患者さんからこんな事をいわれたと最近聞いて驚いています。
医療のスタイルを「権威」と「優しさ」の2本の軸で考えると、分かり易くいえば、権威はあるけど優しくないのが大学病院。権威はないけど優しいのが町医者です。町医者にも強圧的で権威的なのがいたり、大学にももちろん優しい医者もいます。優しくて権威もあるのが理想でしょうが、このふたつのエレメントは両立しがたいものです。ともあれ、患者が思い通りにならぬからといって、「恫喝医療」には陥りたくないものです。
2006年3月16日
先日ある患者さんから、ここに来たい人がいるんだけど、その人車はないし、タクシーも使いたがらない人で、どうしたものでしょうかと相談されました。確かに当院は車で来られる方には便利な場所にあるのですが、自家用車がなく、タクシーも使いたくないという方にとっては、通院が大変かもしれません。で、考えたのですが、1日に1本、料金100円の市営バスが医院のほんとすぐ近くまで来ているのです。この裏技、詳しくはアクセスに書きましたのでご覧になってください。でも、帰りはどうする。相乗り?...
2006年3月07日
QRコード当院の再診以降の予約はパソコンや携帯からもできるのですが、利用者が非常に少ないのが現状です。電話では医院に係がいる時でないと対応できませんが、パソコンや携帯からならいつでも可能ですし、メールアドレスを登録して1日前とか決められた時間に受診のお知らせを送ることも可能です。携帯用のQRコードも作成しましたので、ぜひ御利用ください。QRコードも印刷した利用手引きも受付でお渡ししていますので、お申し出ください。
2006年2月27日
先週後半から急に花粉症の症状が出始めた方が多いです。今年の花粉量は少ないとさかんにメディアがいうものですから、今年は大した事はないだろうとたかをくくっている方が多いかもしれません。しかし、昨年に感作された方は今年も確実に症状は出ます。大量飛散の翌年も要注意です。花粉症も火事と同じで、火が拡がってからでは消火が大変になります。早い時期からの服用(初期療法)が大切です。なお、当県の花粉飛散量は山梨環境アレルギー研究会にて確認できます。
2006年2月20日
シクラメン
2週間あまり経って、濃いピンク色のシクラメンが開花しました。そういえば、昨年もそんな色だった記憶があります。店で売られているものに比べれば、もちろん花は見栄えがしませんが、自家製2年もののシクラメンは貴重に感じられます。
2006年2月13日
今まで漢方の治験報告はweb page上で多数してきましたが、坂の上クリニックでの蓄積も増えてきましたので、当院での経験例を少しづつ掲載することにしました。医学情報という趣旨が曖昧なコーナーがありましたので、これを「症例集」と改題し、ここに当院の治験報告を載せていきますので、ご覧になってください。記念すべき第一例は、昨年の院長日記にも書きました「いぼ」の漢方治療です。
2006年2月7日
昨日の夜半からの雪で5cm位積もりはしましたが、今日は暖かく「春の雪」でした。下は医院駐車場に現れた雪だんごの列。
春の雪
2006年2月6日
シクラメン
上の写真はシクラメンの蕾です。1年前患者さんにいただいたシクラメンを、スタッフが大事に育てていたら、蕾が成長して最近ぐんぐん伸びています。この調子では珍しい2年もののシクラメンの花が見られるかもしれません。さてどんな花になることでしょう。
2006年1月21日
今日は今シーズン初めての雪でした。といっても湿った雪が少量降っただけでほとんど積もりませんでした。今年はとても寒いのに、雪は少ないですね。
花粉症の季節が近づいてきました。今年のスギ花粉量は昨年に比べると、1/10位といわれています。しかし昨年は極端に多い年でしたから、平年に比べれば半分位と予測されています。スギ花粉症の程度はスギ花粉の飛散量に比例しますので、花粉症の程度は昨年に比べれば軽いと予想されます。しかし昨年は感作された方が多かったので、今年も軽くても症状の起こる人は多いのではないでしょうか。かくいう私も、昨年初めて眼が痒くなった口です。一昨日くらいから周りに申し合わせたように症状が出始めたり、きつくなった人がいました。この時期の花粉というとハンノキでしょうか?花粉症の人はそろそろ予防的な投与をする時期です。
2006年1月16日
私の漢方の師匠である遠田裕政先生は生前に5冊の本を出版されました。すなわち『傷寒論再発掘』『近代漢方総論』『近代漢方各論』『近代漢方治療編』『近代漢方の案内書』の5冊です。『傷寒論再発掘』は非常にコンパクトな康治本傷寒論がオリジナルな傷寒論ではないかとする非常にエキサイティングな論考。近代漢方4部作は、漢方の近代的体系化を試みた画期的な著作群です。遠田先生御逝去3年目に入る今年、これらの書物が広く縁ある方々に届くようにとの願いを込めて、慈温堂遠田医院では定価の約3割引きにて頒布しています。興味のある方はどうぞご覧になってください。当院にも多少在庫がありますので、御希望の方はお申し出ください。
2006年1月15日
今日の未明、医院のごく近くで火事がありました。聞きなれぬサイレンの音だと思っている間に、続々と消防車が集まって来て、よく見れば近くでもうもうと煙が上がっています。鎮火までにかなりの時間を要したように思いました。今日聞いたところでは近くの民家が全焼し、79歳のおばあさんが犠牲になったそうです。痛ましいことです。
今日は夏以来の救急当番の日でした。夏にはちらほらと来院する程度だったのですが、さすがにこの時期はほとんど休む間もなく来院者があり、合計24名の来院者がありました。A型インフルエンザを始め、吐き下しの風邪、マイコプラズマ肺炎などありました。1日の診察が終わるともうぐったり、明日からまた1週間が始まるのがつらいところです。still tomorrow's going to be another working day... -American tune-
2006年1月5日
新年明けましておめでとうございます。
今日から診察が始まりました。今シーズンは早くからインフルエンザが流行し始め、いったいどうなるかと思っていましたが、その後はやや落ち着いてきたようです。今日もインフルエンザの方がありましたが、風邪の方はそう多くはなく比較的穏やかな外来でした。
今年は早いもので、もう開業して3年目になります。私もスタッフも仕事に慣れ少し余裕も出てきましたが、初心忘るべからず、初々しい気持ちを持ち続けつつ、さらなるスキル・アップをはかり、より良い医療サービスを提供したいと思っています。どうか、今年もよろしくお願いいたします。
最新の日記へ