尋常性坐瘡(にきび)3
 患者は21歳、女性。13歳の頃から、尋常性坐瘡(にきび)が出始め、いくつかの皮膚科を受診したが必ずしも改善しなかった。本を読んで漢方治療が良いことを知り、1988年10月25日当院に来院した。
 体格栄養とも中等度。便通は1〜3日に1〜3行。生理は順調だが、生理痛が強い。腹侯は腹力中等度、腹直筋の攣急も中等度あるが、その他特別の所見はない。腹力がやや実で便秘傾向があり、生理痛も強いことから、桂枝茯苓丸料にヨクイニンと大黄を加えた処方にした。
 6週間後には便通がたいへん良くなり、皮疹の数も発赤の程度も減少した。しかし、まだ皮疹が認められるので同一薬方にて様子を見ていったところ、順調に改善していった。
 約7ヶ月後には増悪が見られた。しかし、同一処方を続けていくとそれも修まっていった。
 1999年3月(初診より約9年後)電話でその後の状態を問い合わせてみると。肌の状態はよく、結婚して子供も2人いるとのことであった。

顔(左側面) 顔(右側面)
初診時

(1988.10.25)

6週間後

(1988.12.06)

3ヶ月後

(1989.01.17)

7ヶ月後

(1989.05.24)

1年後

(1989.10.24)

1年4ヶ月後

(1990.02.06)